顧客事例
店舗型ビジネスの新規出店を支えるデータ活用
既存の来店者数予測モデルを検証し、出店判断に使える予測精度と解釈性を高めた取り組みです。
クライアント
株式会社Fast Beauty
対象
ヘアカラー専門店「fufu」の新規出店判断
課題
既存予測モデルの更新が止まり、店舗開発チームの経験則に頼る部分が大きくなっていた
支援
既存モデルの精度検証、改善余地の特定、曲線フィッティングと回帰モデルによるモデル改善
成果
テスト対象6店舗すべてで、既存モデルを上回るRMSEを確認
クライアント企業
株式会社Fast Beautyは、ヘアカラー専門店「fufu」の運営やヘアケア用品のECサイトでの販売を手がける企業です。2024年12月時点で全国に137店舗を展開しており、ヘアカラー専門店としては業界内でもトップクラスの規模を誇ります。
激しい競争が続く市場環境の中、戦略的な新規出店を通じたさらなる事業拡大に力を入れています。
背景・課題
新規店舗の出店においては、立地が売上に大きく影響します。クライアント企業による店舗ごとの予測売上は、新規来店者数の予測に基づいて算出され、特に路面店では新規顧客が一定割合でリピートすることで売上が伸びるリピートモデルが採用されています。このモデルでは、新規顧客数の予測精度が売上全体の見通しを左右する重要な鍵となります。
これまで、出店候補地の通行量や周辺人口のデータをもとに新規来店者数を予測する時系列予測モデルが、新規出店の判断材料として活用されてきました。しかし、このモデルはアップデートが止まっており、店舗開発チームの経験や知見に頼る部分が多く、十分にデータやモデルを活用できていないという課題が存在していました。
既存モデルの検証
既存モデルの予測精度を検証する中で、減衰率の設定を見直すことでより精緻な予測が可能な箇所や、モデル式の構造を簡素化することで解釈性が向上する可能性が見つかりました。
具体的には、減衰率の設定を見直すことでより精緻な予測が可能な箇所があること、モデル式の構造をさらに簡素化することで解釈性が向上する可能性があることを整理しました。
これらを踏まえ、精度向上だけでなく、モデル結果に対する理解と納得感を高めることで、経営層や現場担当者の意思決定が円滑に進むように設計しました。
モデル改善
学習データが少量であることや、店舗ごとにオープン後の日数が異なる点を考慮し、過学習を防ぐために必要最低限のパラメータでモデルを設計しました。
特定の減衰傾向を表現するモデルのパラメータフィッティングと、そのパラメータを予測する線形回帰モデルを組み合わせることで、出店候補地の通行量や周辺人口が新規来店者数に与える影響を定量的に把握できるようにしました。
重要な要素が係数として表れるため、精度だけでなくビジネス判断にも活用しやすいモデルとなっています。
成果
新たに提案したモデルは、既存モデルに比べて新規来店者数の急な減衰をより正確に表現できることが確認されました。
さらに、テスト用に選定した6店舗について予測誤差をRMSEで評価したところ、すべての店舗で既存モデルを上回る精度を達成しました。
この成果は、より信頼性の高い予測に基づいた戦略的な意思決定を可能にし、店舗型ビジネスのさらなる成長を支援するものと期待されます。
